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取材レポート

通信制高校・サポート校が運営する「中等部」とは?

2023年09月07日

(文:学びリンク 小林)

 

 

通信制高校生徒数が最新の学校基本調査(速報値)で「26万4,797人」(公立校57,255人、私立校207,542人)となり、前年度から2万6,530人増えました。この動向については9月1日配信の記事『通信制高校が大人気! それって“バブル”!? (3回連載)第2回 2023年度の最新通信制高校指標』の中でまとめられています。

 

そんな通信制高校ですが、近年、多くの学校で中学生を対象としたフリースクール「中等部」を開設しています。フリースクールで行われる多様な活動については、9月2日配信の記事『学びの多様化=「不登校特例校」と「フリースクール」から見えてくるもの』の中でまとめたところですが、では「中等部」とはどんなところで、どんな特徴があるのでしょうか?

 

中等部とは?

通信制高校やサポート校が運営するフリースクールの名称の一つ。スクールによっては「中学生コース」などと呼称されることもある。中高一貫校で呼ばれる「中等部」(=中学校)とは異なり、学校外での民間教育施設(フリースクール)という位置づけ。

 

 

通信制高校やサポート校が運営する「中等部」(フリースクール)には、主に以下のような特徴が見られます。

 

①高校と同じ環境で活動している

②高校の先生が対応している

③高校を先取りした学習や体験をしている

 

中等部は通信制高校やサポート校と同じ施設で運営されることが多いため、その場合は、高校生たちと同じ環境で過ごすことになります。すると、必然的に高校の雰囲気を味わえたり、対応してくれる先生が高校の先生になったりしていきます。同時に、通信制高校が行っている多様なプログラムを中等部の生徒も一緒に体験できたりするのです。

 

こうした環境から得られるメリットは多く、特徴的な強みとしては以下のような要素が考えられます。

 

A.学習支援に手厚い=高校の先生が教えてくれるから

B.不登校や発達障害への支援=高校段階で支援実績がある

C.高校進路選択の手がかりになる=高校生活を疑似体験できる

 

学習支援については、当然ながら高校の先生が対応してくれる以上、手厚いサポートが強みとなります。小・中学校の学び直しから、高校の受験勉強など、子どもに合った学習が進められそうです。不登校や発達障害のある生徒への支援については、もともと通信制高校やサポート校には多くの不登校経験者や特性のある生徒を受けて入れている実績があるため、そのノウハウが中等部に活かされることになります。

 

最後に「高校進路選択の手がかりになる」ですが、これは高校と同じ環境で過ごす中で、その環境や学び方が自分に合っているかを中等部の中で判断できるということです。中高一貫校ではないので、内部進学ということもなく、もし、その環境が合わなければ、無理に系列の高校へ進学する必要もありません。もし「合わない」となっても、それは自分の中で「この学び方は合わないことがわかった」という経験になるため、進路選択の重要な材料を得たことになります。反対に、その環境がマッチングした時は、そのまま系列の通信制高校やサポート校が選択肢になります。仮にそのまま入学となった場合は、すでに慣れた状態で安心して高校1年生をスタートできる、というメリットもあるのです。

 

学びリンク主催の「通信制高校 合同相談会」では、こうした中等部の相談を受けることもできます。また、一部の会場では「中等部・フリースクール相談コーナー」が開設されていますので、実際にどんな活動をしているのか? どんな子どもが通っているのか? など、お気軽に相談してみてください。さらに、一部の会場では「中等部・フリースクール講演」も行われます。

 

 

学びリンク「合同相談会」について

 

 

最新刊『フリースクール白書』2023年9月25日より発売

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