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「今いる場所」が全てではない 「世界は意外と広い」ことを 知ってほしい【赤井 知一さん 酒井 邦彦さん】
2022年01月28日
『不登校生が留学で見つけた自分の居場所』
著者 赤井 知一さん 酒井 邦彦さん
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不登校生や障害をもつ子どもに特化したサポートを充実させている留学エージェント・株式会社 ターニングポイント。同社代表・赤井知一さん、共同代表・酒井邦彦さんの共著『不登校生が留学で見つけた自分の居場所』が学びリンクより発売されました。自身も留学経験者であり、2 5年以上にわたり留学支援を行ってきたお二人に、新刊に込めた思い、留学の「新たな居場所」としてのメリット、そしてコロナ禍の留学最新事情まで、お話を聞きました。
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今とは違う場所があることを知って
酒井 今回の新刊で伝えたいことは、留学とは特別なものではなく、「選択肢の一つ」であるということ、そして「世界は意外と広い」ということです。「今の場所が行けなくなってしまったら、もう自分の居場所はない」と考える人が多いですが、ちょっと視野を広げれば、今いる学校以外、そして海外にも、色々な悩みを抱えている子がいるわけです。今まで自分が出会った人が全てではないし、文化も言語も違う人たちが世界にはたくさんいます。今の学校・環境に合わないという子に向けて、「もっと世界は広い」ということを知ってもらいたいのです。
赤井 「今いる環境とは違う場所がある」ということを知っていただきたいですね。私達は普段、学びリンク株式会社主催の「合同相談会」で講演を行い、相談ブースを構えています。来場者の方は、「もう通信制高校しか選択肢がない」「学校にも行けていないのに留学なんてとんでもない」と感じる方がほとんどで、留学がそもそも視野にないんです。しかし、海外は子どもへの接し方、教育システムから何まで、日本とは違う。「空気を読む」とか、日本独特の文化が苦手という子にとっては、海外の方がのびのびできるかもしれないのです。
アフターコロナを見据えて
今できること
酒井 海外都市がロックダウンをする直前に「滑りこみ」で出発できた子と、間に合わず国内待機となった子の間にあるのは、ほんの2 ~3 日の差。国内組は、現地とオンラインでつないで勉強を進めていますが、やはり現地に行けた子たちとの英語力の差が出ています。現地に行けた子はロックダウンを経験しながらも、ホストファミリーと密な関係を築くことができているので、やはり差は開いてしまう。そして、いつコロナ禍が収束するか分からない情勢の中、留学のモチベーションを保つのも困難になっています。
そこで我々は、国内待機組のモチベーション維持やメンタルケアのために、定期的なコンタクトを取るようにしています。2週間に1回、週1など子供に応じた面談を設けて交流をすることで、子どもたちのちょっとした変化、つまりS O Sを感知できる。不安の芽を、早い段階で摘み取ることができるようになります。
赤井 コロナ禍がこれだけ長引くとは、全く予想していませんでした。ただ、アメリカ、カナダ、イギリスなどの国では海外留学生の受け入れも緩和されてきています。今は感染症対策をしつつ、弊社オフィス・世田谷プレイスを開放し、国内ホームステイ体験や生活リズムを整えるサポートを続け、アフターコロナを見据えた出発に向けて準備をしているところです。
昨年4月からニュージーランドに行くはずだったもののコロナで出発できず、国内でオンライン留学を続けている高校1年生の子がいます。彼は富山在住で、私たちと直接顔を合わせることが中々難しい。その中でやはりモチベーションも下がってしまったようでした。そこで、一泊世田谷プレイスで過ごしてもらうことにしました。一緒にカレーを作って食べて、夜中まで色々なおしゃべりをしたりして過ごし、翌日とても元気になって帰っていきました。家にこもりがちになってしまう子も多い中、「家以外」で安心できる居場所、相談できる大人がいるという状態をつくることはとても大事だと考えています。そうした関係性は、子どもたちがいざ留学に行った時にも安心材料になります。
今、「居場所がない」と
感じる子どもたちへ
「知る」ことで視野は広がる
酒井 「留学で見つけた自分の居場所」というタイトルの通り、かつての環境から一歩踏み出した結果、自分に合う居場所を見つけた子どもたちをたくさん見てきました。どこにも居場所がない、なんだか生きづらい…。夏休み、そして新学期を迎える今の時期、そういった思いを抱える子どもも増えていると思います。そんな子たちにこそ、ぜひ読んでもらいたいです。
赤井 「留学という道を知って、人生が復活した」という子がいます。当時中学2 年生で、「人生終わった」と感じていたという彼女は、父親の勧めで合同相談会に来たことをきっかけに、弊社の留学相談に来てくれました。新しい道を知ることによって、自分の生きる道を見つけることができたのです。
「なんで自分は学校に行けないのだろう」「親に迷惑かけているな」など、子ども自身も自分を責めながら、どこに行けばいいのかが分からなくて悩んでいるのだと思います。今いる環境が合わないのであれば、第二・第三の場所を知ってほしい。海外でも、国内でもいい。「こんな世界があるのか」と感じてもらえたらと思います。
<書籍紹介>
不登校生が留学で見つけた自分の居場所
自身の留学経験から25年以上にわたり5,000人以上の留学を実現してきた著者2人が、通信制高校合同相談会で出会った不登校生、その保護者の方に海外留学をすすめ、日本の学びづらさからの解放を実現させた事例が詰まった一冊。「起立性調節障害からの留学」「ADHDの傾向とつき合う」といった、留学を経験した様々な子どもたちの事例を紹介。
体裁:四六判/160ページ
定価:1,540円(税込)
ISBN:978-4908555459