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海がのぞめるオルタナティブスクール「クレラ みんなでつくる自由ながっこう」を取材
2022年11月04日
文部科学省は10月27日、小中学生の不登校児童生徒数が過去最多の24万人を超えたと発表しました。そんななか、既存の学校以外にも自分らしく過ごせる居場所のニーズも高まっています。
広島県呉市にあるオルタナティブスクール「クレラ みんなでつくる自由ながっこう」は、自身の子どもが不登校を経験した母親により立ち上げられました。
広島県呉市戸田に位置するクレラは、呉鉄工所社員寮跡地である古民家を活用。海と山々が臨める場所に位置しており、地域の小学生から中学生の子どもたちが集まっています。
10月31日(月)、学びリンクはクレラを取材。代表の佐藤理沙さんにお話を伺いました。
クレラは小学生から18歳までの子どもが対象で、現在10名の子どもが在籍しています。開校日は週3日で、時間割や校則などはありません。その日自分が何をするか・しないかは基本的に子どもたちが中心となって決めています。
この日は子どもの発案からハロウィンパーティーが行われ、お菓子を持ち寄って仮装やゲームを楽しんでいました。
佐藤さんは、「ここは子どもたちが意見を自由に言える、安心できる居場所でありたい」と話します。
立ち上げに至るまでは、自身の子どもの不登校をきっかけに「学校以外で子どもが安心できる居場所がほしい」という思いがあったという佐藤さん。しかし、近くの通えるエリアにフリースクールなどの環境がなかったため、自身でクレラを立ち上げたといいます。
この日は佐藤さんのお子さんたちもハロウィンパーティーに参加しており、リラックスした様子で過ごしていました。
以前は自分の子どもに対して、学校に行くように強要をしてしまうこともあったという佐藤さん。しかし、「学校に行かなくても大丈夫」と思えたのは、自身の子どもやクレラに通う子どもを見てきたからだと話します。
「自転車が大好きで、YouTubeで動画を見て解体や組み立てを学んでいたり…。子どもって、私たち大人が思う以上にいろいろなことを考えているし、吸収する力もすごい。だから、子どもをもっと信じてあげてもいいのかなと、私自身が思えてきています」
立ち上げから1年ほどがたち、地域の方とのつながりも生まれているといいます。先日は近隣の方からのお誘いで、みんなで芋ほり体験をしたそうです。
「さまざまな体験をしてほしいと思っていますが、基本的にやるか・やらないかは子ども本人に任せています。そのなかで失敗をしたり、一見遊びにみえるようなものでも学ぶ意欲につながるような体験を大人たちが提供できたら」と佐藤さん。
この日お話を聞いているあいだにも、子どもたちが次々に佐藤さんの周りに集まってきていました。「学校に行かなくても大丈夫」、優しくも力強い佐藤さんの思いは、子どもたちにも伝わっているのではないでしょうか。
▼クレラ みんなでつくる自由ながっこう HP