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お知らせ
通信制高校生約29万人、過去最高を更新(2024年度通信制高校指標)
2024年12月24日
☆公私ともに23年度から増加して24年度は過去最高生徒数を更新
☆25年4月は過去最高の29校(私立25校、公立4校)が開校へ
文部科学省は、12月18日、2024年度学校基本調査(確定値、5月1日現在)を発表しました。
学校基本調査によると24年度の通信制高校在籍生徒数は、29万87人となり前年度に続き過去最高生徒数を更新しました。公立校は3年連続、私立校は28年連続の生徒増となりました。
39都道府県で3年連続生徒増となっています。全国的に通信制高校生徒が増えている様子がわかります。
一方、昨年度は唯一3年連続減となっていた徳島県も増加に転じました。徳島県には、24年10月に初の私立通信制高校認可校「みのり高校」(独立校・全国広域制、徳島県三好市、学校法人明里学園)が開校しました。
また、これまで認可校のなかった群馬県にR高校(桐生市)、富山県に高岡龍谷高校(高岡市)が25年4月に開校し、私立通信制高校認可校のないエリアはなくなります。
男女比率では、女子生徒比率の増加が目立ちます。公立校生徒増は女子生徒増が背景にあります。全日制、定時制がともに男子比率が高いのに比べると一つの特徴となっています。
学校数は初めて300校を超え「300校時代」(公立校79校、私立校224校 合計303校)を迎えました。私立校1校あたりの生徒数は、学校数が増えているなかでも千人を超えました。公立校1校あたりの生徒数も増加しました。
25年4月には私立通信制高校25校、公立通信制高校4校が新たに開校します。公私29校が開校するのは過去最高です。ここ5年間の新設校では、私立通信制高校の併置校(通信制と全日制を併置)が約7割を占めています。私立全日制高校の通信制課程の開設が目立っています。
公立通信制高校4校の新設はすべて愛知県で、4校とも全日制・昼間定時制・通信制の3課程を開設する“フレキシブルハイスクール”と呼ばれています。他課程の授業を併修したり、課程間の異動ができたりします。 愛知県立佐屋高校(愛西市)、愛知県立御津あおば高校(豊川市)、愛知県立豊野高校(豊田市)、愛知県立武豊高校(武豊町)が開校します。
文と指標分析:山口教雄(学びリンク代表)
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▼通信制高校の関連指標は次の通り。
【通信制高校の主な指標】
出所:学校基本調査(24年は速報値、その他は確定値、文部科学省)より学びリンク作成
・学校数
303校(前年度より14校増)
公立通信制高校 79校(前年度より1校増)
私立通信制高校 224校(前年度より13校増)
・生徒数
290,087人(前年度より25,113人増、前年度比109.5%)
公立通信制高校 60,333人( 2,896人増、同105.0%)
私立通信制高校 229,754人(22,217人増、同110.7%)
※公立校生徒数増加:21年度まで19年連続減少を続けていましたが、22年度に20年ぶりに増加(741人増)、24年度は3年連続増、増加数も前年度を上回りました。
※私立校生徒数増加:28年連続増加、23年度初めて20万人以上となりました。24年度さらに2万2千人以上の増加となりました。
・生徒数内訳
男子136,071人(構成比46.9%)、女子154,016人(構成比53.1%)
公立通信制高校:男子 27,754人(同46.0%)、 女子32,579人(同54,0%)
私立通信制高校:男子108,317人(同47.1%)、 女子121,437人(同52.9%)
※男女比率は、22年度から女子比率が50%を超えました。23、24年度と女子比率が拡大しています。公立校は女子比率が高まる傾向にあり、人数でも女子生徒数が男子生徒数を約4,800人上回っています。公立校生徒増は女子生徒の増加が寄与しています。
・1校当たりの生徒数
957人(前年度より41人増、前年度比104.4%)
公立通信制高校 764人(同27人増、同103.7%)
私立通信制高校 1,026人(同42人増、同104.3%)
※私立通信制高校が800人以上となったのは19年度に06年度以来13年ぶりでしたが、それ以後800人以上。22年度に初めて900人以上となり、23年度は984人と推移し24年度千人を上回りました。
・高校生徒数
全日・定時・通信制生徒数合計 3,188,533人
全日制高校生徒数 2,826,266人(高校生全体に占める割合 88.6%)
定時制高校生徒数 72,191人(同2.3%)
通信制高校生徒数 290,087人(同9.1%)
・前年度に比べ生徒増加人数が多かった都道府県(上位3県)
茨城県 35,223人(5,339人増、前年度比117.9%)
千葉県 16,221人(2,302人増、同 116.5%)
北海道 26,615人(2,091人増、同108.5%)
・前年度に比べ生徒増加人数の増加率が高かった都道府県(上位3県)
山梨県 6,605人(1,195人増、前年度比122.1%)
山口県 6,519人(997人増、同118.1%)
茨城県 35,223人(5,339人増、同117.9%)
・3年前(2021年度)に比べて生徒数増減の大きい都道府県
増加上位3県 茨城県、千葉県、北海道 減少上位3県 沖縄県、岩手県、佐賀県
・3年連続生徒数が増加している(39都道府県):北海道、青森県、宮城県、秋田県、山形県、茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、島根県、岡山県、広島県、山口県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県
※3年連続生徒増となったのは、22年度18道県、23年度27都道府県と推移し、24年度は39都道府県となりました。全国的に通信制高校生徒増となっている様子がわかります。
・3年連続生徒数が減少している(0県):―
※23年度は、徳島県が3年連続減でしたが該当する地域がなくなりました。