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不登校経験者が動画に思いをのせて届ける　「不登校生動画甲子園2024」受賞式

2024年08月25日

8月25日（日）、東京都現代美術館（東京都江東区）にて、『不登校生動画甲子園2024』の授賞式が行われました。220本の応募の中から、「最優秀作品賞」「アンバサダークリエイター賞」「審査員特別賞」「佳作」の計32作品が選出。最優秀作品賞には、福岡県の中学２年レイマさん（13）が選ばれました。

『不登校生動画甲子園2024』は動画共有アプリTikTokと不登校生動画甲子園事務局が主催する動画コンテストで、今年で2回目の開催となりました。「学校に行きたくない君へ」をテーマに7月の１カ月間、これまで不登校を1日でも経験した13～19歳の個人またはグループを対象に動画を募集。動画に「#不登校生動画甲子園」をつけてTikTokに投稿されました。

授賞式には、審査委員長の中川翔子さんをはじめ、審査員の石井しこうさん（不登校ジャーナリスト）、佐藤陽一さん（TikTok APAC ゼネラルマネージャー）、枝優花さん（映画監督・脚本家・写真家）、関正樹さん（児童精神科医）が登壇。観客席には、出場者やその関係者などが多く集まりました。

初めに、TikTok APAC ゼネラルマネージャーの佐藤陽一さんが開会の挨拶を述べました。2回目の開催を迎えられたこと、同甲子園への参加とその作品の視聴に対して、感謝を伝えました。そして、「不登校をテーマにした動画を上げていただいたみなさんも、不登校という決して楽しくはない、相当苦しい経験を動画にして表現して、TikTokに上げていただいた時点で、おそらく何か新しいことに一歩、半歩踏み出したのかなと思います。また、それが同じような苦しさを感じている、抱えている人たちに見てもらって、少しでもつながりができて、少しでも何か方法、影響を与え合って、何か新しいこと、何かちょっと違うことに対する一歩、半歩になってくれたら、TikTokを運営する僕らとしてはそれにまさる喜びはありません」と同甲子園に対する思いを述べられました。

続いての行われた受賞者発表では、各受賞者の動画が紹介され、受賞者は壇上に上がり、トロフィーを受け取りました。

最優秀作品賞には、福岡県の中学2年レイマさん（13）が選ばれました。受賞した気持ちについて、「不登校というものは後ろ向きの意見が多いと思います。でも私は、不登校は自分の大事なことや自分のやりたいこと、好きなことを見つけられるチャンスだと思っているので、そのような思いが、この動画でたくさんの方々へ届けられることができて、とても嬉しいです」と喜びを語りました。

レイマさんは小学4年の3月頃から不登校になり、小学6年の時に3DCGに出会ったことで生活が変わったと言います。受賞した動画には、自身が3DCGで制作した教室のアニメーションが映し出されています。その背景とともに、自身の声と文字で「不登校だからこそできる経験もたくさんある」などの思いを伝えています。レイマさんは、自身の動画を通して「自分の好きなことを見つけて、それに熱中する楽しさを知ってもらえたらなと思います」と話しました。

受賞式後の囲み取材で、審査委員長の中川翔子さんは、夏休み明けに不登校や子どもの自殺が集中することを踏まえて、「私自身も学校に行けなかったこと、言われて傷ついた言葉だったり、またあんな思いをしないといけないのかなと反芻してしまったり、夏休みは学校に行かない、自分の部屋の中にいる時だからこそ、どんどん自分を改めて反芻して、傷つけてしまった。生きるのが苦しくなって、生きるのをやめようとしてしまった瞬間がいくつもありました。でも、今は好きなことに触れる瞬間、好きなことを見つけるきっかけがたくさんある時代だと思います。SNSだったり、学校の外にいろんな選択肢、いろんな居場所が増えているということをどうか知ってほしいなと思います。目の前の学校に行かなきゃいけないことを一回置いて、まずは自分の命を大切にして、生きていてくれることが何より大切です。そして、少しずつ、少しずつ、好きなことや自分の考えを持って生きているんだなとどうか感じてほしいと思います」とメッセージをおくりました。