「困っている」子どものこと 一番に考えられますか? 発達障がい、不登校、元気な子… すべての生徒に独自のインクルーシブ教育を
話が伝わらない。パニックを起こす。学校へ通えない…。
「自分は何者か?」理由もわからず、もがき苦しんでいた子どもたち。
大阪市にある学校で起こった奇跡の実話。
かつて生徒の問題行動が絶えなかった専修学校に一人の男性教員(著者)が招かれました。赴任後、著者は問題の背景に生徒の「自信のなさ」や「発達障がい」が潜んでいることを知ります。気づけば、入学生の半数以上が不登校経験者や発達に課題を抱えた子どもたち。しかし、学校はそうした生徒たちに厳しい生活指導や校則といった管理教育を敷いていました。話が噛み合わない。指導が行き届かない。増え続ける退学者――。
彼らは「困った」生徒ではない。「困っている」のだ――。
後に校長となる著者は学校改革を一任。常態化されていた画一的指導から生徒一人ひとりに目を向けた十人十色の個性教育を進めます。不登校生徒のための特別クラス、発達に課題を抱えた生徒のための支援コース、パニックを起こしても一時的に避難できる部屋、学校生活に意欲を持てるイベントの開催、多様な生徒に対応したカリキュラムへの改善…。常に「今、生徒にとって必要なものは何か」を探し、実践し、考察し、また実践する。本当の意味での「自立支援」を問い続けた男性校長のドキュメンタリー。

■著者:
■発行:学びリンク
■定価:1200円+税
■ISBN:978-4-902776-91-1
■体裁:四六判212ページ
■2015年3月発売